『東京漫遊談笑NO.51』
【 朝の築地マグロ仲買人 】
《 ここは、夜明けの住宅地だ。
人も歩いていない 》
《 来た来た、威勢のいい旦那
だべ 》
《 何時もながら、元気バリバ
リだ 》
《 小学生の頃を思い出す 》
〚 私の心の中 〛
東京、江戸の幕開けだ。
朝くらい今から一日が
始まるぞ。
ワクワクする。
〚 私 〛
どうぞ。おはようござい
ます。
さぁ~、お乗りください
。
社長。
〚 お客様 〛
朝早くからご苦労さん、
よろしく頼む。
いくぞ、戦場へ。
〚 私 〛
分かりました。
ではメーターを入れます
。
お願いします。
〚 お客様 〛
ここは、タクシーが通ら
ないから何時も向かいに
来てもらって、すまんな
~。
〚 私 〛
ナンノ、ナンノ。
東京、江戸の朝の幕開け
です。気が張りますよ。
〚 お客様 〛
そうか、俺から東京、江
戸の一日は始まっている
のか。凄いことだな。
〚 私 〛
そうですよ、この東京、
江戸の一日は、旦那さん
から始まります。
東京1000万人に向か
っての、ニワトリのコケ
コッコ~の響きですよ。
〚 お客様 〛
そうか、お前さんは分か
っているね。
それが、東京、江戸の築
地のこころ粋だ。
〚 私 〛
築地正門につきました。
〚 お客様 〛
マグロのすぐ横に、着け
てくれ。
あぁ~、その先でいい。
ありがとう。
今日も、いいマグロがき
ているかな。
〚 私 〛
おお~、ここは、タクシ
ー進入禁止のところだ。
しかし、仕切り屋の旦那
だ。
ヨシとするか。
〚 お客様 〛
皆、おはよう。おぉ~、
そろっているな。
〚 私 〛
ありがとうございました
。
運賃は、・・・・円になりま
す。
お忘れ物に気を付けて、
降りて下さい。
ありがとうございました
。いってらっしゃい。
〚 私の心の中 〛
東京、江戸の築地の一日
が始まった。
凄い、道路には、積み降
ろし待ちのトラックで一
杯だ。
『 東京漫遊談笑 NO.52 』
【 園田 直元外務大臣の葬儀 】
《 ここは、浄土真宗東京築地本
願寺の本山のお寺だべな 》
《 やけに黒のスーツ姿が行き交
っているな 》
《 おぉ~、園田 直元外務大臣の
葬儀だ 》
《 同郷の政治家園田 直先生の葬
儀の御通夜だ 》
〚 私の心の中 〛
子供の頃、家族と近隣の
堤池の水抜き行事に一緒
した。
りして遊んでいたが、そ
の先生が、亡くなった葬
儀の御通夜だ。
これは弔問の方々の送迎
をして尽くさねば。
〚 私 〛
どうぞ。お乗りください。
〚 お客様 〛
第一議員会館へ頼む。
〚 私 〛
はい、分かりました。
ではメータを入れます。
お願いします。
〚 お客様 〛
今日は、議員会館との
往復で忙しいよ。お世話
を受けた先生達が多いか
らね。
〚 私 〛
私も同郷ですから頑張り
ます。
〚 お客様 〛
ありがとう。
〚 私 〛
ありがとうございました
。
運賃は、・・・・円になりま
した。
忘れ物に気を付けて、降
りて下さい。
ありがとうございました
。
《 その場で直ぐに 》
〚 私 〛
あぁ~、どうぞ。
〚 お客様 〛
築地の西本願寺へ頼みま
す。
〚 私 〛
弔問が多くて入口のとこ
ろになりますが、いいで
すか。
〚 お客様 〛
そうか、いいよ。
〚 私 〛
今、築地から来たのです
。
〚 お客様 〛
しばらく、この往復だね
。
《 ・・・・・繰り返し 》
〚 私の心の中 〛
市民会館での講演会を思
い出すな。
「私は、自民党議員だけれ
ども、日本の社会は、共
産党以上に共産社会です
よ。
三代に渡ったら、相続の
関係から、その財産はな
くなってしまう。
共産社会以上に共産社会
ですよ」と言っておられ
た。
現職の国会議員同士の結
婚をしたり、中々の話題
の多い方であったな。
〚 私 〛
おぉ~、未来の総理大臣
クラスの弔問だ。凄い。
〚 お客様 〛
あぁ~、いいよ、ありが
とう。
〚 私 〛
ありがとうございました
。
運賃は、・・・・円になりま
した。
お忘れ物に気を付けて、
降りて下さい。
ありがとうございました
。
〚 私の心の中 〛
いゃ~、弔問が多かった
な。
まだ子供心で三田先生で
あったが、また、兄を秘
書に懇願され、お断りを
した父を思い出しながら
、弔問者の送迎で、お礼
を兼ねて、尽くした日で
あった。
『 東京漫遊談笑 NO. 53 』
【 銀座飲食街でママ歴50年の
キャリアがあかす現役ママの
人柄推薦伝 】
《 このお客様は、何度も送迎す
る方だべな 》
《 相変わらずお元気だべな 》
〚 お客様 〛
何時も近いところお世話
になります。
〚 私 〛
どうぞ、お気兼ねなく、
お乗りください。
〚 お客様 〛
越中島の自宅に帰ります
から、よろしくお願いし
ます。
〚 私 〛
はい、分かりました。
ではメータを入れます。
お願いします。
〚 お客様 〛
しかし、若い議員さんで
も、その人柄は、その態
度でよく分かりますね。
有名な方でも、その態度
や姿勢で、人柄が分かり
ますね。
〚 私 〛
俗に、顔は、その人の人
格を現すと言いますが、
態度に至っては、さらに
よく現すでしょうね。
ところで、気になる方で
も、いましたか。
ママさんが話しかけるの
には、何かありましたね
。
どうぞ、お話し下さい。
〚 お客様 〛
ありがとう。
いゃ~、数多くのお客さ
んの中、世界に羽ばたく
人なんですが、お帰りに
なる折に、お店におられ
るほかのお客様にも
「お先に失礼します。」
と礼儀を尽くしてお帰り
になる方がおられます。
その態度には、感心しま
す。
その理由を、お尋ねする
と、「私は、大勢の他の
お客様を存じ上げません
が 、多くの方が、私のこ
とを知っておられます。
その方達人にも、お先の
お暇の御挨拶をと思って
います。」
この礼節の態度は、感心
し、見上げた振る舞いで
す。
お店のママとしても、恐
縮致します。
ところが、その方に匹敵
するような態度を示す、
若い国会議員がおられま
したよ。
あれは、大物ですね、
ママ歴50年の私が、人柄
、態度から推薦する大物
ですね。
女性の日本の総理候補の
筆頭ですね。
〚 私 〛
おぉ~、女性の総理候補
の筆頭とは!
知りたいな、そう感じさ
せる、人柄と態度を知り
たいですね。
〚 お客様 〛
貴方も、運がないね。
私は、家についてしまい
ましたよ。
金の切れ目は、縁の切れ
目ですね。
次回をお楽しみにしてく
ださいな。
〚 私 〛
残念。
ありがとうございました
。
運賃は、・・・・円になりま
した。
忘れ物に気を付けて、降
りて下さい。
ありがとうございました
。
〚 私の心の中 〛
世界に羽ばたく人の人柄
と態度に、匹敵する姿勢
を、思わせる様子。
知りたいな。
しかし、次回となった。
残念。
『 東京漫遊談笑 NO. 54 』
【 政治家を励ますパーティ会場
の一幕 】
《 ここは新橋の交通拠点だべな
》
《 威勢のいい老若男女が歩く姿
が初々しい 》
《 粋のいい紳士が、乗り込んで
くる 》
〚 私 〛
さぁ~、どうぞ。
〚 お客様 〛
銀座八丁目にお願い。
〚 私 〛
えぇ~、目の前ですが。
いいですか。
〚 お客様 〛
いゃ~、お願いがあるけ
どね。
このパーティ券をもって
東京プリンスに行ってく
れないか。
そして、この会場でパー
ティ券を差し出して、入
場してくれないか。
パーティー会場は、立食
の会場だから適当に食べ
ていいよ。
俺は、銀座八丁目におい
てね。
〚 私 〛
なるほど、身代わりの入
場ということですね。
しかし、出席者として大
丈夫ですか。
〚 お客様 〛
大勢だから、分かるもん
かね。
これで俺は、パーティー
出席者となるんだよ。
〚 私 〛
はい、分かりました。
私は、送迎をとおし、
タクシー待機所に車を置
いて参加し、総芸妓と夕
食パーティ会場の食事を
いただくということです
ね。一石二鳥ですね。
〚 お客様 〛
そういうことだ。よろし
く頼むよ。
金の切れ目は、縁の切れ
目ですね。
次回をお楽しみにしてく
ださいな。
〚 私 〛
分かりました。
では、メーターを入れま
す。お願いします。
しかし、考えましたね。
狡猾な手を。
〚 お客様 〛
料金は。チケットで書い
ておくからね。頼んだよ
。
大勢の中にいてもな~。
〚 私 〛
励まされる先生も、この
現実は知らないことだろ
うね。
はっ~はっ~はぁ~。
政治家の政治資金集めの
末端の姿だ。
〚 私 〛
東京プリンスのタクシ―
待機所に車を置き、会場
に入って、パーティ券を
提出し立食パーティー会
場に行き、立食しよう。
お世話の係りが来て、持
ち帰りの折り詰めを作り
、手渡してくれた。
後の食事にしてくれとの
ことだ。
素晴らしい持て成しだ。
〚 私の心の中 〛
政治の世界は、お金がか
かる世界だな。こんなこ
とをして、政治運動をし
なければならないとは。
理想と現実の隔たりだな
。
地位と権力を求め、あく
せくしている。
地位と権力の維持管理の
姿だ。
『 東京漫遊談笑 NO. 55 』
【 多忙期で各ホテルが一杯にな
った折のホテル料金 】
《 ここは、夜の飲食界隈の中心
赤坂だべな 》
《 千鳥足の老若男女がフラフラ
と徊う姿が、コッケイだ 》
《 バブル経済の潮流に浮かれ、
徊う方々が頼もしい 》
《 高度成長期の荒波に晒されな
がらも、生き抜いた戦士達だ
》
《 資源の乏しい国土にもかかわ
らず、そして敗戦の浮き沈み
に耐え生き抜いた戦士達だ 》
《 素晴らしい光景だ。身分制度
に縛られ身動きできなかった
時代を、克服した戦士達だ 》
《 時代を写す人々の逞しい姿だ
》
〚 私 〛
さぁ~、どうぞ。
〚 お客様 〛
多摩センターまでお願い
。
ホテルをあたったけれど
も、一杯で、料金もフッ
カケられ、帰ることにし
たよ。
なんせ、いつも、6,0
00円のホテル代が、
60,000円だそうだ
。
タクシーがつかまったか
ら、帰ることにしよう。
たまたま、君が拾ってく
れてありがとう。
〚 私 〛
多摩センターですね。
高速霞が関から国立府中
でいいですか。
それではメーターを入れ
ます。
しかし、繁忙期とはいえ
、6,000円のホテル
代が、60,000円と
は、凄いですね。
世間の足並みならった料
金ですね。
まぁ~、お帰りになった
方が無難ですね。
〚 お客様 〛
いゃ~、参ったよ。
国立府中を降りたら起こ
してくれ、頼む。
寝るから。
〚 私 〛
分かりました。
〚 私の心の中 〛
一流ホテルも世相に敏感
だ。
6,000円のホテル代
が、60,000円とは
。
こうなったら、金額云々
ではないな、夜の宿泊施
設が、不足している現実
だな。
戦後の時代を担った戦士
達だ。悩みは、次から次
に、生まれる。しかし、
その都度克服していくの
だろう。
戦士たちの一人一人は、
逞しいね。生きる術を探
し見いだしている。
〚 私 〛
お客様、もう国立府中を
降ります。起きていただ
けますか。
〚 お客様 〛
おぉ~、速いね。
鎌倉街道から多摩センタ
ー駅を超えて真っ直ぐだ
。
〚 私 〛
はい、分かりました。
赤坂の栄華は、夢の如く
去って、静かな街並みで
すね。
〚 お客様 〛
いゃ~、現実に戻ったよ
。
〚 私 〛
よかったですね。
ありがとうございました
。
お支払いは、チケットで
すか。
料金は、・・・・円です。
〚 お客様 〛
料金は。チケットに書い
ておいたからね。
頼んだよ。帰りの高速代
も入れておいたからね。
〚 私 〛
ありがとうございます。
〚 お客様 〛
それでも、もう3時か。
御前様だな。
〚 私 〛
いい時間ですよ。
ありがとうございました
。
お忘れ物に気を付けて降
りて下さい。
〚 お客様 〛
またな。ありがとう。
〚 私の心の中 〛
6,000円のホテル代
が、60,000円とは
。
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