東京漫遊談笑 NO11~15

『東京漫遊談笑 NO11』

【 パーティー帰りのフランス
大使ご夫妻 】

《 ビルのエントランスでボーイ
が手を上げている 》
 〚 俳諧人 〛
   車を寄せよう。

 〚 徘徊人の心の中 〛
    なかなかのビルだな、
    人々が並んでいる。
   パーティーのお開き
だな。これは。
《 ボーイがドアを開く! 》
    宜しいですか。

 〚 俳諧人 〛
    えぇ~、ご利用くださ
    い!。
    ・・・あぁ~。お待たせ
    しました。どうぞ。
《 外人の男女二人が乗り込む 》
 〚 俳諧人 〛
        Do you speak japanese ?
 〚 お客様 〛
        Yes I do。フランス大使
館へお願いします。
 〚 俳諧人の心の中 〛
   おぉ~、良かった。
    しかし、音調、抑揚の
イントネーション(into
nation)が決まっている
    ね。この外人は。
 〚 俳諧人 〛
    テレ朝通りからで宜しい
ですか。

 〚 お客様 〛
      お願いします。

 〚 俳諧人 〛
      分かりました。
    では、メータを入れま
    す。お願いします。    
    日本語がお上手ですね。
安心しました。   
 〚 お客様 〛
    私は、フランスの大使を
しています。
言葉は、大切です。日本
語を沢山勉強しました。
    それでも足りないくらい
    です。
    話しかけてくれてありが
    とう。
    日本のこと、もっともっ
    と、知りたいです。
 〚 俳諧人 〛
    フランスといえば、芸術
の国ですね。日本にも葛
飾北斎、安藤広重といっ
た芸術に優れた人がいま
    すが、また、能あるいは
庶民の歌舞伎等といった
分野もあります。楽しん
    でもらえていますか。
 〚 お客様 〛
    大変興味をもって、楽し
    んでいます。  
    日本の文化は、非常に繊
細で、興味深く楽しんで
います。
 〚 俳諧人 〛
    我々庶民からみても、よ
く克明に表現しているな
と感心しています。
    しかし、いまは、政治の
ニュースが、大きく報道
されています。
   ところで、時の話題の「
    田中角栄」という政治家
    をどう思われますか。
《 座り直して 》
 〚 お客様 〛
   日本の社会は、まだ部族
社会と見ています。
 〚 俳諧人の心の中 〛
    えぇ~っ。む~。
    はい、そんな。酷い。
 〚 お客様 〛
    続けて、「田中角栄」と
    いう政治家は、部族社
    会の酋長的存在で す。
    私は、ここで「フランス
    革命以降のフランス」
と題してお話しします。
    権力は、人々の総てに
    施しを差し出すことは、
経済力から不可能です。
    10人の内3人には施しを
差し出すことが可能で
    す。
    しかし、残りの7人には
、施しを差し出すこと
    はできません。
     この残りの7人が、施し
    を受けた3人に、自分の
判断をすることなく追
    従する社会が、部族社
    会といえます。
    日本の社会は、この理
解になります。
    私がこれからお話しす
る「フランス革命以降
のフランス」と題する
    意味は、先の7人の追
従した者を考察したフ
ランス人の生き方です。
    フランスの政治中枢は
    、フランス人が、世界
    に、王様をギロチン刑
    にした残忍な人種であ
    ると示したことを、こ
    れから払いのけていか
    なければならない宿命
    を背負ったことを真剣
    に考えました。
    イタリアのフィレンツェ
に語源としてあるエド
ケイト(Educate)とい
    う語源にその道を求め
てきました。

《 もうフランス大使館に着いて
  、外には大使館の侍従がドア
  の外で待っている 》
《 大使は、そんなことは無頓着
  で続けて 》
    日本人は、明治の頃に、
    エドケイト(Educate)
    という言葉を「教育する
    」とだけの言葉として誤
訳し、今日に至っていま
   すが、フランス人は、
この言葉を重要視し、
フランス革命以後のフラ
ンス社会で活かしてきま
した。
    その内容は、エドケイト
(Educate)という語源を
    、生活の中で活かす生活
です。
    生活環境の中で、子供を
    育てる生き方の中で、「
エドケイト」(Educate)
    つまり、「自らの判断力
を養い育てていくこと、
    つまり判断力を持った子
    供を育てる」ということ
です。
    生活の中で、「エドケイト
    」(Educate)に添った、
自らの判断力を持った子
    供を養い育てていこうと
考えました。
    フランス人は、年月のか
かる、子育てに託してき
たのです。
    この10人の全てが、自ら
の判断力を持った人とし
て生きていば 、今後、
    このような、王様をギロ
    チン刑にかける残虐な行
為は、しないと考えまし
    た。
    権力者の権力は、施しを
受けた3人には、権力が
及ぶことがあっても、残
    りの7人が、自らの判断
をすれば、権力者の権は
、及ばないと考えます。
    また、権力者が、その座
に座ることもなく、また
、人々がその権力にひれ
伏すこともなくなるとい
うことです。
    これは、大統領の選出に
おいても、権力者が選出
されることに影響を及ぼ
すことに、つながってい
くということです。
 〚 俳諧人の心の中 〛
    いや~、フランス人は、
    話し好きだったな。
    しかし、この内容は、
民主主義の理解において
、数学でいう[必要かつ
    十分な条件]ともいえる
    、骨格であったようだ。
 〚 俳諧人 〛    
    権力と民主の絡みが、
    よく理解できました。
「フランス革命以降の
    フランス」と題してた
約1時間に及ぶご講義、
誠にありがとうござい
ました。
    大使のお話の間、奥さん
    も待っていただいて、
    ありがとうございました
 〚 俳諧人 〛
    お代は、・・・・・・円になり
    ます。
    お忘れ物に、気を付けて
下さい。
    ありがとうございました
 〚 俳諧人の心の中 〛
    これは、「フランス革命
以降のフランス」と題す
    る、世相談話で考えてみ
よう。
    民主に関する大変なお話
を得てしまった。
    フランス革命は、歴史の
本で、専制主義の王政を
打破し、自由と民主の革
命をなしえた革命という
理解しかしていなかった
ことだ。
   視点を替え、国民性の有
り様を深慮した理解の視
点から実行に 移す行為は
、大変な遺業とみていけ
    る。     
    ここで、民主主義の骨格
を学んだようだ。
    大変なことを、学び知っ
てしまったようだ。
俳諧の目的を一つ達成し
た思いがする。

    世相談話で更なる深慮を
重ねよう。


『 東京漫遊談笑 NO12 』

【 多いガンセンターへのお客 】

《 ここは、東京都八重洲口の乗
  り場だ 》
 〚 徘徊人の心の中 〛
    朝の出勤時は、乗車が多
    くて流れが速いな。
一日の乗降客が、4~50
    00人ということだけのこ
とはあるな。
    さすがは、庶民の玄関口
、東京駅八重洲口の乗り
    場だね。
    ボーイ付きときている。
    出勤時間だな、なかなか
のものだ。
《 ボーイがドアを開く! 》
    お願いします。
 〚 俳諧人 〛
    ・・・あぁ~。お待たせし
   ました。どうぞ。
《 カバンを持った若いサラリー
  マン風の男性が車に乗り込む
   》
 〚 お客様 〛
         新川のダイヤビルに、
    お願いします。
 〚 俳諧人 〛
       分かりました。八重洲通
りからで、よろしいです
か。
   それでは、メーターを入
   れます。
   お願いいたします。
 〚 お客様 〛
   そこの信号を左に曲がっ
たとこでいいです。

 〚 俳諧人 〛
    料金は、・・・・円になりま
す。
    お忘れものがないよう、
気を付けてください。
       ありがとうございました
 〚 俳諧人の心の中 〛
     おぉ~、早やかった。
   八重洲口に戻ろう。
《 この繰り返しで時間が9時を
回る 》
 〚 俳諧人の心の中 〛
      やっと、出勤の忙しさが
、終わってきたな。
ひと段落だ。
   おやぁ~、一斉に人が出
てきたな。   
《 ボーイがドアを開く! 》
 〚 俳諧人 〛
    どうぞ。あぁ~、スーツ
ケースの荷物が有ります
ね。
トランクに入れましょう


 〚 お客様 〛
       お願いします。ガンセン
ターにお願いします。
 〚 俳諧人 〛
    分かりました。
昭和通から行きましょう
か。市場通りでは、先で
    ユータウンが出来ない時
    間帯になりましたから。  
    それでは、メーターをい
れます。お願いします。
 〚 お客様 〛
    今、金沢から新幹線でき
ました。
これから、ガンでガンセ
ンターへ入院しに行くと
ころです。
     地元も医師から紹介され
まして。
余命いくばくか、気には
していませんけど、50
    をまわったところです。
    とりあえず、入院という
ことで、最低の必要な荷
をバックに入れてきまし
    た。
 〚 俳諧人 〛
    なぁ~に、見付かってい
    る患部のガン細胞を摘出
し、転移を調べ、その治
療をしていけば、大丈夫
ですよ。
    私の友人の医師は、体液
を研究し、体液からでも
転移の診さだめを探る手
立てを考えてきました。
今の医術は、進歩してい
    ますから。
  〚 お客様 〛
     いゃ~ 、勇気を頂きま
     した。
治療を受ける勇気をい
ただきました。
     ありがとうございまし
た。    
 〚 俳諧人 〛
    がんセンターはこちらに
    なります。
    料金は、・・・・円になりま
す。
    トランクから荷物を出し
ます。
    忘れ物に、気を付けてく
ださい。
    ありがとうございました
《 運転席に戻って 》 
 〚 俳諧人の心の中 〛
    お客の心は、深刻だな。
    武彦おじさんは、友人邦
彦よ、ありがとう。
    武彦おじさんは、ガンで
亡くなり、研究の糸口を
後世の私達に教えてくれ
た。
       友人の邦彦は、医師とし
ての研究の立場から、体
液を研究してれました。
    後々の人の為に。
    ありがとう。
《 まだまだ八重洲口には乗客は
  いたな~、戻ろう。 》   
《 ボーイがドアを開く! 》
 〚 俳諧人 〛
    どうぞ。あぁ~、スーツ
ケースがありますね。
トランクにしましょう。
   
 〚 お客様 〛
    お願いします。
ガンセンターまで。
  〚 俳諧人 〛
   えぇ~、分かりました。
昭和通から行きましょう
    か。市場通りでは、先で
    ユータウンが出来ない時
間帯になりましたから。
    それでは、メーターをい
れます。お願いします。   

 〚 お客様 〛
    今、若狭から来ました。
   これから、ガンでガンセ
ンターに行くところです。
    地元の医師から紹介され
    まして。
    入院ということで、最低
の必要な荷をバックに入
れてきました。

 〚 俳諧人 〛
    そうでしたか。私も、今
、ガンセンターへ、前の
お客様を送ったところで
    す。若狭からですか、大
    変でしたね。
〚 俳諧人 〛
   ガンセンターは、こちらに
なります。
   料金は、・・・・円になります

   トランクから荷物を出しま
す。
   忘れ物に、気を付けてくだ
さい。
   ありがとうございました。
《 まだまだ八重洲口に乗客はい
たな~、戻ろう 》
《 ボーイがドアを開く! 》
 〚 俳諧人 〛
    どうぞ。
    あぁ~、スーツケースの
    荷物がありますね。
    トランクにしましょう。

〚 お客様 〛
   お願いします。ガンセンタ
ーにお願いします。

〚 俳諧人 〛
     えぇ~、分かりました。
   昭和通から行きましょう
か。市場通りでは、先でユ
   ータウンが出来ない時間帯
   になりましたから。
   それでは、メーターをいれ
ます。お願いします。
〚 お客様 〛
   今、若狭から来ました。
   これからがんセンターに行
   くところです。
   地元の医師から紹介されま
して、入院ということで、
最低の必要な荷をバックに
入れてきました。

〚 俳諧人 〛
   そうでしたか。私も、今、
ガンでがんセンターへ、
前のお客を送ったところ
   です。
   若狭から大変でしたね。

〚 俳諧人 〛
  ガンセンターは、こちらに
なります。
  料金は、・・・・円になります。
  トランクから荷物を出しま
す。
  ありがとうございます。
《 まだまだ八重洲口には乗客が
いたな~、戻ろう 》
《 ボーイがドアを開く! 》
 〚 俳諧人 〛
    どうぞ。あぁ~、スーツ
    ケースの荷物があります
    ね。トランクに入れまし
    ょう。

 〚 お客様 〛
         お願いします。ガンセン
ターにお願いします。

 〚 俳諧人 〛
    えぇ~、分かりました。
    昭和通りから行きましょ
う。
市場通りでは、先でユー
タウンが出来ない時間帯
になりましたから。
    それでは、メーターをい
れます。

 〚 お客様 〛
    今、福井から来ました。
これから、ガンでガン
センターに行くところで
   す。
医師から紹介されまして

   入院ということで、最低
    の必要な荷をバックに入
れてきました。

 〚 俳諧人 〛
    そうでしたか。私も、
    先程も、ガンセンターへ
    、前のお客様を送ったと
    ころです。
    福井からですか、大変で
    したね。

 〚 俳諧人 〛
      ガンセンターは、こちら
    になります。
    料金は、・・・・円になりま
す。
      トランクから荷物を出し
ます。
    ありがとうございます。
《 まだまだ八重洲口には乗客が
いたな~、戻ろう 》
《 ボーイがドアを開く! 》
 〚 俳諧人 〛
    どうぞ。あぁ~、スーツ
    ケースの荷物があります
    ね。
トランクにしましょう。

 〚 お客様 〛
      お願いします。ガンセン
    ターにお願いします。

 〚 俳諧人 〛
    えぇ~、分かりました。
    昭和通りから行きましょ
う。市場通りでは、先で
    ユータウンが出来ない時
    間帯になりましたから。
    それでは、メーターを
    いれます。

 〚 お客様 〛
    今、福井の大飯町から
    来ました。
これから、ガンでガン
センターに行くところ
です。
   医師から紹介されまして
。入院ということで、
最低の必要な荷をバック
    に入れてきました。

 〚 俳諧人 〛
そうでしたか。私は、
先程も、ガンセンター
へ、前のお客様を送っ
たところです。
    大飯町からですか、大
    変でしたね。
   しかし、これまで、続け
   てガンセンターに送って
   いますが、若狭湾の方面
   の方はどうしました。
   一斉にガンセンターに
    お行きになっていますが
    。
    何か、ここ十年、二十年
の間に変わったことあ
りませんでしたか。

 〚 お客様 〛
    ここ数年、若狭湾でとれ
    る魚が、大きくなって喜
んで食べてきました。
    地元では、ここ数年、
    キ病があちらこちらでは
やり、何だろうと言って
    います。
    このキ病を調べる人が、
いましたが、途中でいな
    くなっています。
    何なのか、分かりません


 〚 俳諧人 〛
    へぇ~、何だろう。
    ガンセンターは、こちら
    になります。
      料金は、・・・・円になりま
す。
    トランクから荷物を出し
ます。
      お忘れ物に、気を付けて
ください。
    ありがとうございました


 〚 俳諧人の心の中 〛
      へぇ~、不可解な出来事
    だな。
途中でいなくなってしま
    うなんて。

    このことは、世相談話シ
    リーズで思考してみよう


『東京漫遊談笑 NO13』

【 日本橋老舗の果物屋おやじさ
  ん 】

《 ここは、日本橋室町町だな。
老舗の町だべな 》
《 おぉ~、先に、老人が立って
いるではないか 》   
 〚 俳諧人の心の中 〛
    おゃ~、何度も空車に乗
    り込み、すぐに降りてく
るぞ。
    何かあるな、どうしたん
    だろう。
      俺の番だ。
《 老人がドアから乗り込む 》
 〚 徘徊人 〛
    ・・・お待たせしました。
    どうぞ、どうぞお乗りく
ださい。
 〚 お客様 〛
    いゃ~、どの運転手も、
行き先の分からない者ば
っかりだよ。 
    「おわり町に行ってくれ
    ないか。」と云うとすぐ
    ドアをしめて、行ってし
    まう・・・・・。
    あきれたね。
 〚 俳諧人 〛
    分かりました。「銀座お
    わり町」ですね。
このまま、真っ直ぐで宜
    しいですか。
    それでは、メーターをい
れます。お願いします。
    しかし、お客さん、今ど
き、「おわり町」といって
    も、分かる運転手は、い
    ませんよ。
    たまたま、私は、京橋税
    務署やら京橋郵便局やら
    、地名とあわない施設が
    、残っていることを見聞
    きして、古い過去の行政
区の京橋区を調べて、知
    っていましたけど。
    今の銀座5、6丁目の銀
座尾張町と言ったことを
知っている者、いません
よ。
    ただ、驚きますよ。
 〚 お客様 〛
    まぁ~、おめえさんは、
分かってくれてありがと
    う。
    用事は、すぐ済むから待
っていてくれないかね。
 〚 俳諧人 〛
    いいですよ、お待ちして
    います。

 〚 俳諧人の心の中 〛
    年の頃は、90を越えて
いるな。時代感覚がとん
でもないな。
 〚 お客様 〛
   あぁ、待たせたな。
助かったよ。
ごっつあんです。
       とこで聞くが、電車は、
どうなったかね。
無いが。ここには、
    電車が通っていたんだ
    がね。
 〚 俳諧人 〛
    もう、とっくに電車は、
廃線になっていますよ。
東京オリンピックの開催
    がある頃から、色々と変
わりましたからね。運河
    の川には、蓋をしたり、
その上には高速道路を通
したりしてきましたから
ね。

 〚 お客様 〛
    おれは、この歳まで、倉
庫で果物の匂いを嗅いで
きて、それ以外のことは
    、分からないからからな
。旬の果物を、お客に届
けるのが、俺の仕事だか
らな。
世間のことは、どうでも
    気にしてはいなかったか
らね。
    ところでもう一つ聞くが
、三井銀行とかいう銀行
    は、信用できるかね。
俺んところを10なん階
の建物にするから、その
承諾してくれと、しきり
に訪ねてくるが。
大丈夫信用出来るかな。         
 〚 俳諧人 〛
    三井銀行という銀行は、
日本を代表するような
銀行ですから、信用でき
るか云々より、信用でき
るとしか言いようがない
ですね。
    その承諾の件は、ビル建
    設にあたり、おたくさん
    の土地を含めた土地に、
    大きいビルを建設する計
画でしょうから、その場
    合の等価交換の承諾でし
ょう。
    それは、ある意味で時代
の流れでして、時代の流
れに添って商売をしてい
くのであれば、承諾もや
むを得ないということで
しょう。
その相手として、三井銀
行は、信頼していくこと
    に値いしますよ。
    ところで、あちらこちら
に、支店ができています
よね。
    喜ばしいことです。
お祝い申し上げます。
 〚 お客様 〛
    うむ~。なるほどな。
    そういう時代の流れか。  
    お前さんが、「おわり町」
を分かっていたので聞い
たんだよ。
    ありがとう。
    あぁ~、支店かね~。
    大事なことは、果物の旬
を、お客様に届けられる
かだよ。
 〚 俳諧人 〛
    そうこう言ってる間に、
お乗りになった場所につ
きました。
    よろしいですか。

 〚 お客様 〛
    久しぶりに、世間と話が
出来たよ。ありがとう。
 〚 俳諧人 〛
   ありがとうございました

        料金は、・・・・円になり
    ます。
    お忘れものに気を付けて
、降りて下さい。
       ありがとうございます。
 〚 俳諧人の心の中 〛
    おぉ~、「おわり町」か。
    「木挽町」、「木挽町通り
    」、「楓町」、「銀座尾張
町」といった旧い銀座の
歴史に残る町だ。
    しかし、等価交換の話ま
    で出るとは、老人の現代
版だったな。


『東京漫遊談笑 NO14』

【 フランス人との奇遇な出会
  い 】

《 ここは、高輪台だな。武家と
お菓子の老舗の町だべな 》
《 おぉ~、先に、若い紳士が立
っているではないか 》   
 〚 俳諧人の心の中 〛
    いゃ~、紳士は手をあげ
る姿勢も立派だな。
おぉ~、外人だ。
《 紳士が、ドアから乗り込む 》
 〚 俳諧人 〛
    ・・・・・お待たせしました
。どうぞ。お乗りくだ
さい。
    日本語は、分かりますか
 〚 お客様 〛
    はい、分かります。
西麻布の交差点に、お願
いします。
    コースは、お任せします
 〚 俳諧人 〛
    分かりましたよ。
    二の橋を左に行って、
仙台坂から有栖川公園の
橋を通り北条坂を降りて
いきます。
取り合えずこのまま、桜
田通りを真っ直ぐに行き
ます。宜しいですか。
    それでは、メーターをい
れます。お願いします。

 〚 お客様 〛
        はい、お願いします。
 〚 俳諧人 〛
    お国は、どちらですか。
    日本語が、お分かりにな
    るということで、安心し
ました。

 〚 お客様 〛
    私は、フランスから来ま
した。
      私は、ワインと日本酒を
研究しています。
       世界のお酒の中で、ワイ
    ンとお酒が、大変素晴ら
しいお酒と
    思っています。
    ほかの国にも、色々な
    品種のお酒があります
が、このワインと日本
酒が、最も優れたお酒
と考えています。
    それは、ワインとお酒
は、多くの人の手がか
かり、そして、人の心
が尽くされています。
    そこで、日本酒の研究
で、日本に来ました。
    日本酒の吟醸酒を、学
んでいきたいと思って
います。                  

 〚 俳諧人の心の中 〛
     えぇ~、フランス人か。
    フランス大使を乗せて
から、フランス人には、
大使からお聞きした内
容のことを、聞いてい
たが、この人にも聞い
てみよう。
    これまでの方は、「あな
たは、最低でも20年
以上フランスに住 んだ
ことがありますね。
    フランスで生活していな
いと分からないことです
。」という返事だったな
    。
     何故なら、そのことは、
    生活習慣のことで言葉に
表現したものはなく、生
活そのものですから、と
いうことを聞いていたな

    このことは、いかに、大
使が言うように、子育て
に委ねて、この言葉が生
活の中に浸透したかを意
味ているか。
    子育てに託したことが伺
える。
まさに有言実行の鏡だな
。       
    このフランス人にも聞い
てみよう。

 〚 俳諧人 〛
    ところで、フランスの方
ということで、お聞きし
たいことがあります。
    宜しいですか。         
 〚 お客様 〛
    どうぞ。
 〚 俳諧人 〛
    以前あるフランス人から
聞いたことですが。  
    「エドケイトという言葉
の持つ意味で、生活の中
で、子供の判断力を養い
育てる子育てをすると聞
きました。」ことにあた
り自己の判断が必要な場
合に、親は、子供に仔細
を示し、子供の力で判断
するという育て方をされ
ましたか、ということで
す。

 〚 お客様 〛
    あなたは、私の父と同じ
ことを言います。
    フランス人は、即座に自
分の判断を示します。
    その場に居合わせた人と
違った判断であっても、
即座に自分の判断を示し
ます。
    フランス人に何かを聞く
と、さまざまな判断をい
うことが多くみられます

    それは、自分の判断を相
手に示すからです。

 〚 俳諧人 〛
    おぉ~、そうですか。
    いゃ~、感銘しています
   。
子育てが、大事なことこ
とですね。
    今、父と同じことを言う
と聞きましたが、また、
イントネーションが日本
語に添っていて、聞き取
りやすいのですが、何か
根拠が有りますか。
 〚 お客様 〛
    私は、小学中学の頃、
日本で生活しています。
    それは、父が当時、駐日
フランス大使をしていて
、子供時代を日本で生活
    していました。         
    昭和50年代の後半です
。      
 〚 俳諧人 〛
    えぇ~、駐日にフランス
大使をですか。
    あぁ~、そうでしたか。
    子供の頃、日本で生活し
ていたから、
    イントネーションが、日
本語に添っているのです
ね。       

 〚 俳諧人の心の中 〛
        うむ~、これは、偶然と
はいえ、以前、「フラン
ス革命以後のフランス」
と題した講義を、一時間
にも及び、していただい
    たフランス大使のご子
息だ。
    偶然とはいえ、外国人
お父さんを乗せ、その
お子さんを十年後に乗
せるなんて、なんとい
う、奇遇な出会いだ。
    フランス大使が、講義
    をしてくださったとお
りに、フランスでは、
行われてきている。
    つまり、民主の原点と
    もいえる「エドケイト」
の持つ意味と
    その実行が、生活の中
で行われてきている。
過去の歴史からフラン
スの国民性を守るため
に、生活の中で実行さ
れてきている。
    感服の至りだ。
    先々、「エドケイト」と
いう言葉は、この人類
の社会を替えていく要
素になると思えてくる。 
    何時の時代、実現する
か分からないけどな~。         
    この偶然な奇遇な出会
いは、大切にしていこ
う。
    時代を動かす偶然にな
るかもしれないからな。
    この俳諧の目的の一つ
には、民主の理解と実
行である。
    今日は、それを教え、
学ばせてもらった方の
ご子息を偶然にも乗せ
ることになった。
    ワインと日本酒の吟醸
酒を学ぼうとする若者
をとおして。
    私の出生にも絡む酒の
ことで。
彼のこの酒への関心、
そして我が身の出生を
    考えれば、信じられな
い程の偶然だ。
    この偶然は、まさに奇
遇なことといえる。
    私は、お客様のこのフ
ランス人に、フランス
大使であられたお父さ
    んを、以前、お乗せし
たことがあると話し、
    伝えるべきかどうかを、
深慮した。
    その深慮の結果、この
奇遇な偶然のことは、
後日の展開に任せよう
と考え、伝えることは
しないでおこう。

 〚 お客様 〛
    私は、先にお話ししたと
おり、日本酒の吟醸酒を
学んでいこうと考えてい
ます。
    ウォッカーとか世界には
各種ありますが、フラン
スのワインと日本酒の吟
醸酒ほど、人の手がかか
ったお酒はありません。
    この日本酒の吟醸酒を学
びたいと思っています。
 〚 俳諧人 〛
    私は、日本酒の吟醸酒に
ついて、詳しくお話しで
きませんが、是非、学ん
で下さい。

 〚 お客様 〛
    信号を渡ったところでい
いです。

 〚 俳諧人 〛
    料金は、・・・・円になりま
    す。
    お忘れものがないよう、
気を付けてください。
    ありがとうございました
 〚 俳諧人の心の中 〛
    いやぁ~、心が騒ぐ。
何時に日か、今日を思
い出すだろう。

『東京漫遊談笑 NO15』

【 お馴染みのお客さん 】

《 ここは、日本でも最も名を馳
せた銀座三越前銀座四丁目交
差点横よ 》
《 おぉ~、ライオンだ。 》   
 〚 俳諧人の心の中 〛
    ここは、土地の公示価格
    の最高の地点だべ。鳩居
堂前といえば。
    土地値の最高峰の所だ。
    さぞかし、金持ちが行き
    来するだろうな。
    時代の寵児、時の人達
(俗にいう長者達、成功
者)気取り合いの街だべ

    切磋琢磨の人生で生きて
    いる人達だ。
    様子を伺おう!。
《 いつものおばさんがが、ドア
  から乗り込むと同時に「帰る
わよ」という。 》
 〚 俳諧人 〛
    ・・・・・お待たせしました

どうぞ。分かりました。
    メーターを入れます。
    お願いします。
 〚 お客様 〛
    ねね、肩掛けのショール
を買ったんだけど、似合
う。どう!。
 〚 俳諧人 〛
        似合わないですね~。
ショットね。
    それは、地味ですよ。
    それは。

 〚 お客様 〛
    そうかな。地味かな。
 〚 俳諧人 〛
    ここは、銀座三越前の
    四丁目のど真ん中です
よ。ましてや、お客さん
    は、顔だちが、派手な
タイプですよ。
顔のつくりも、派手な
タイプですよ。
そんな地味なショール
では、折角の持ち味が
沈んでいきますよ。
    中年のおばさんが、年
増のおばさんになりま
    すよ。
    もっと、柄模様が大き
くて、色取りがはっき
りしたショールが、イ
メージを引き立たせま
すよ。
    つい振り返りたくなる
ようなショールがいい
と思います。

 〚 お客様 〛
    引き返してちょうだい。
    換えてくるから。

 〚 俳諧人 〛                  
       えぇ~っ、私のいった
ことを気にしないで下
 さい。ショールも高い
ですから、本音の印象を
話しただけです。

 〚 お客様 〛
    交換するだけだから、
待ってて下さいな。

 〚 俳諧人の心の中 〛
      エライことになったな。
いつものお客さんだから
、本音を言っしまったけ
    ど。
    まぁ~、しょうがないな

ことは展開していってる
し。
    ここに来て、後戻りはで
きないからな。  

 〚 お客様 〛
    お待たせ。
    どう。今度は。
 〚 俳諧人 〛
    いぃ~、それは明るく
て顔に似合ってますね。
色取りもいいですね。
    一層若く見えます。
いいものがありました
ね。
    三越の売り子さんも大
丈夫でしたか、すぐ交
換してくれましか。

 〚 お客様 〛
       私のこと覚えていてくれ
    て、大丈夫でしたよ。

 〚 俳諧人 〛
    おぉ~、そうでしたか。
いゃ~、良かった。

 〚 お客様 〛
    いつも乗せてくれてあり
がとう。近いのに。
    でも見せてみるもんだね
。何だか、スーとしま
したよ。
    45000円もするんですか
らね。

 〚 俳諧人 〛
    えぇ~、そんなにしたん
ですか。
    やはり銀座ですね。
いいものがおいてあるん
ですね。
 〚 お客様 〛
   勝ちどき豊海からの午
後の買い物と思い、お
出かけしたけど、ショ
ールが気になっていた
から。
        お蔭で、いい買い物が
できましたよ。
ありがとう。           

 〚 俳諧人 〛
       料金は、・・・・円になり
ます。
       お忘れものがないよう、
気を付けてください。
       いつも、ありがとうご
ざいましす。

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