『東京漫遊談笑 NO36』
【 フウテンの寅さんとイギリス
人 】
《 おぉ~、観光客の人々で溢
れている。さすがは、浅草
雷門の前だな 》
《 ここは、日本一の観光の名
所だべ 》
《 外国人が、多いな。世界は
、平和だ 》
〚 私の心の中 〛
このヒトゴミでは、危
険だから、吾妻橋の方
に車を向けよう。
雑踏の人々を見ってい
る暇は、ないな。
ここを早く離れよう。
いや~、白人の若者が
、後方から、追い掛け
てくる。俺のタクシ ー
かな。
《 ドアごしに話しかけている 》
〚 白人 〛
プリーズ、ゲットオン
タクシー。
イエス OR ノー。
〚 私 〛
イエス プリーズ ゲッ
トオン OK。
どうぞお乗りください
。
ウッド ユウ ゴウ ツ
ウ スカイツリー。
〚 白人 〛
アリガトウー、コンニ
チハ。
ノー スカイツリー。
アイム ウオンツ ツウ
ゴウ フウテンの寅さん
テンプル柴又帝釈天。
〚 私の心の中 〛
えぇ~、フウテンの寅
なんのお寺へ。
柴又帝釈天の題経寺へ
とは。おかしいな。
何か、この白人は、
フウテンの寅さんが、
映画であることを知ら
ないのか。
映画館と間違えている
のかもしれないな。
〚 私 〛
フイッチ ウッド ユウ
セレクト フウテンの寅
さんムービー ショー
イングシアター OR
テンプル柴又帝釈天。
〚 お客様 〛
ノー ムービーシアター
。
〚 私 〛
アイム ウオント ゴウ
ツウ 柴又帝釈天 オブ
ザ フウテ ンの寅さん
。
〚 私 〛
アイ アム アンダスタ
ンド。分かりました。
アイム クエツション
ルート。
アイ ゴウ マイ ナビ
OK。
〚 お客様 〛
OK。
〚 私 〛
それでは、メータを入れ
ます。お願いします。
〚 お客様 〛
フア ツウ テンプル柴
又帝釈天。
〚 私 〛
タイム シズ アバウト
30 ミニット。
〚 お客様 〛
OK。
〚 私の心の中 〛
いや~、驚いたな。
この浅草からだから、
観光巡りだから、近い
スカイツリーと思いき
や、柴又帝釈天ときた
。
フウテンの寅さんが映
画であることを、知っ
ているのだな。
どこの国から、来たの
かな。
〚 私 〛
ウエアー アー ユア
カントリー・・・・
ナショナル。
フアイ ドウ ユウ
ノウ フウテンの寅さん
柴又帝釈天。
アイ アンダスタンド。
〚 お客様 〛
アイ アム イングリシ
ュ。
アイ アム ウオッチン
グ ムービー オブ
フウテンの寅さん ムー
ビービデオ。
エンジョイング・・・・
イン ホーム。
〚 私 〛
いや~、グッド・・・・、
サンキュウ・・・・。
イン ジャパン アイ
スインク フウテンの
寅さんムービー イズ
ワン オブ ザ ベ
スト ムービー。
ユウ ハブ ア イン
ターレスト オブ ザ
テンプル柴又帝釈天。
〚 私 〛
ジス イズ テンプル
柴又帝釈天。
運賃は、・・・・・円にな
りました。
コスト イズ ・・・・・
円。
忘れ物に気を付けて、
降りて下さい。
プリーズ ゲット
オフ。
プリーズ ビイ ケア
フル ノット トウ
リーブ ユアー エニ
スイング。
プリーズ ドント リ
ーブ ユアー ビロシ
ング ビハインド。
ありがとうございまし
た。
サンキュー サアー。
『東京漫遊談笑 NO37』
【 仕事明けの社内風呂と組合選
挙の社内版Ⅰ、組合選挙後の
社内版Ⅱ 】
【 仕事明けの社内風呂と組合選
挙の社内版Ⅰ 】
《 これは、タクシー会社内ので
きごとだべ 》
《 社員は、仕事明けは、社内で
、ひと風呂浴びて帰路に着く
ということを、日常としてい
る 》
《 吾輩と、社員同僚とのつなが
りである 》
〚 先輩同僚達の声高い叫び 〛
おお~い、ホータイをも
ってきてくれ。
また、滑ったぞ。
〚 別の先輩同僚の声 〛
タイルで足がスベッタ
のか、危ないな。
ヌルヌルしているから
な 。
掃除のおばちゃんは、
定期的にしか やらない
からな。
《 頭の吐血のホウタイをして
いる 》
〚 私の心の中 〛
年取った先輩たちには
、怖いな。何とかしな
ければいけないな。
よし、吾輩が、やろう
。
二時に上がり帰庫し、
タイルがけをすればよ
いではないか。
《 ある明けの日 》
〚 私 〛
先輩方、お疲れ様、お風
呂も、ほど良く沸いてい
ます。
どうぞ、 汗を流してくだ
さい。
さぁ~・・・、どうぞ、どう
ぞ・・・。
〚 先輩同僚達 〛
オメエ~、もう帰ってい
たのか。
まだ、客はいたぞ。時間
一杯は、働けよ。
〚 私 〛
はい、先輩、ご指導あり
がとうございます。
お疲れ様、お風呂で汗を
流して、二階のベットで
ゆっくり休んで下さい。
〚 先輩同僚達 〛
オメエ~に言われなくて
もそうするよ。
このアホウ~。
〚 私 〛
いやぁ~、江戸っ子だね
。クチの悪さはイッピン
だね。
〚 私の心の中 〛
そう言われても、今日か
らは、風呂場で、スベッ
テコロンデのことはない
からな。
さぁ~、お風呂で、汗を
流して、今日の疲れを癒
して下さいな。
口の悪い江戸っ子様達よ
。
〚 先輩同僚達 〛
何だ、アイツ。ナマイキ
な。
まぁ~、いいか、後輩だ
。
《 風呂場で 》
〚 先輩同僚達 〛
あの野郎、えらそうに。
何も、変わってないよ
な。
うむ~、なんとなく今
日の風呂は、気持ちよ
いな。
オメ~、風呂は、まだ
か。
〚 私 〛
皆さん、終わりました
か。
それは、良かった。
では、そうさせて頂き
ます。
《 数か月が過ぎる頃 》
〚 先輩同僚達 〛
組合の常任幹事の選挙
だな。
常任幹事も少しは、こ
の選挙でいれ変わるか
もしれないな。
面白そうだ。
〚 私 〛
親しくなったある先輩
に、 ”これは何ですか
”と聞くと。
〚 親しくなった先輩同僚 〛
定期的に行う、組合役
員の選挙だよ。選挙の
結果上位六人が、組合
を運営していくん だよ
。
営業所まで含めた、こ
の二~三百人の就労者
の組合を任され 、運営
していくことだよ。
〚 私 〛
ほぅ~、面白そうだけ
ど、入ったばかりの吾
輩には関係ないな。
ましてや、労働組合の
運営なんて、同僚たち
の生活権に係ることだ
。
これまでの経緯があろ
う。
先輩たちに任せていこ
う。
《 選挙の当日 》
〚 先輩同僚達 〛
おい、おい、どうなっ
たんだ。
新人がいるぞ。ざわ~
、ざわ~。
新人に任せていいのか
。
選挙のやり直しをした
方が、いいのではない
か。
不安だな・・・・・。
《 掲示板に組合の新たな執行
役員の発表 》
〚 私 〛
えぇ~、吾輩の名前が
、ある。どうした。
〚 親しくなった先輩同僚 〛
神聖な選挙で、選ばれ
たのだ。
どうどうと、やらなくて
はいかん。
求められたのだ。
がんばれ。
〚 私の心の中 〛
これは、お風呂のタイル
がけの功名があるな。
参ったな。
吾輩は、豊臣秀吉みたい
に織田信長に取り入るた
めに、ゾウリを暖めて取
り入る功名を、意図した
ことではない。
あんなインチキな権力者
になるなど、もってのほ
かだ。
要請を受けたのだ。
やるしかないな。
〚 親しくなった先輩同僚 〛
遠慮なく、やって欲し
い。
〚 その他の先輩同僚 〛
ときには、こんなことも
あるさ。
堂々と、やってくれ。
〚 私 〛
分かりました。
やりましょう。
《 吾輩の常任幹事が決まる 》
〚 私 〛
ここにおられる、諸先
輩方、よろしくお願い
します。
しかし、乗務に関して
は、素人です。お指導
のほどよろしくお 願い
いたします。
〚 その他の先輩同僚 〛
仕事のことでいうなら
ば、築地の人々の仕事
を、数年はして、仕事
に馴染んでほしい。
それが出来てイッチョ
マエだよ。
今のところ、事故もなく
来ているので、とことん
お客に尽くせば、大丈夫
だよ。
〚 私 〛
ありがとうございます
。
【 組合選挙後の社内版Ⅱ 】
《 常任幹事としての仕事 》
《 給与の歩合率交渉 》
〚 私 〛
私は、横浜時代、本代
を稼ぐために、この仕
事をやるようになりま
したが、その頃は、半
々でしたが、 これを5
5から60%に上げて
いこうということです
ね。
《 給与の支給率交渉妥結 》
〚 会社側 〛
この歩率で以後進みま
す。残り数%について
は、今後の展開を見て
いきます。
〚 組合側 〛
承知しました。
《 お金に困った先輩 》
〚 私 〛
どこにいくんですか。
あの先輩たちは。
〚 親しくなった先輩 〛
あの方は、子供が高校
に入学するので、入学
金を市中の金融業に金
借りに行くところよ。
金利は、十一とかで、
子供が大きくなると、
学費がかかり、大変だ
よ。
〚 私 〛
金利の十一とは、何なの
ですか。
〚 親しくなった先輩 〛
お前も、世間知らずだな
。
一月の金利が、一割の金
融だ。
この方も、その内に、金
が回せなくなって、保証
人もろとも会社を去って
いくだな。
〚 私 〛
常任の一人のところに行
き、労働金庫との話をし
に行き、折衝した。
その常任幹事の理解を得
る。
〚 私の心の中 〛
その結果は、会社の了
解のもと、20万円、
30万円の範囲で労働
金庫との折りあいを見
た。
しかし、学費は、高く
、会社の再了解のもと
、50万円、20人 の
範囲で労働金庫との再
折り合いを見た。
これには、会社の再了
解という支援を、いた
だいたものだ。
《 エトセトラ・・・等、常任幹事
の月日が過ぎる 》
《 ある日、常任幹事を代表して
労働組合連合会総会に出席 》
《 総会後、会食の食事会が催さ
れ会食に臨む 》
〚 会食会 〛
見事なステーキが並ぶ
。
〚 私 〛
このステーキは、どなた
が払うのですか。
〚 会食執行側 〛
皆さんの会費でまかなわ
れます。
会員各位の会費ですから
、遠慮なく召し上がって
ください。
〚 私 〛
私は、この食事をいただ
くことはできません。
中座してこれで失礼しま
す。
《 会社に戻ると 》
〚 私 〛
連合会は、脱会します。
上納の組合費は、給与
控除から削除します。
《 ある日、常任幹事会が車内
で行われる 》
《 一回の社内でソウゾウしい
物音が響く 》
《 常任幹事会をよそに 》
〚 私 〛
下を見てきます。
《 黒いワゴン車の中に、打撲
して5~6人がうずくまっ
ている 》
〚 私 〛
辺りにいる同僚に、ど
うしましたか。
〚 同僚 〛
こいつらが、吾輩の名
を叫び、 ”出てこい。
”と叫んだ。
そうしたら、あの同僚
が ” 俺だ ” といって、
向かってきたあいつら
を、瞬く間に倒してし
まっていた。
見事なものだった。
一瞬の出来事だったよ。
《 私の横を通りすがりに 》
〚 私の名を名乗った、そし
て打倒した先輩同僚 〛
風呂代払っといたから
な。
〚 私 〛
何のことだよ。
あぁ~。・・・。
〚 同僚 〛
”あいつは、頭を使う方
で、武闘派では、ない
からな。”と言ってたよ
。
〚 私 〛
おぉ~、浅草の元親分
さん。
冴えたことをしおって
。
うむ・・・。
〚 私の心の中 〛
いや~、参ったな~。
浅草の元親分さんに、
お株を取られたな~。
『東京漫遊談笑 NO38』
【 地元で聞く歴史のページ
〔 吉田茂とマッカーサー〕 】
《 ここは、東京の山の手の麻
布界隈だな。江戸では、外
れた武家大名、旗本の屋敷
跡だべな 》
《 今は、大使館、施設等があ
る高級街だ 》
《 東京タワーを臨み、公園、
仏閣の寺等が近くにある所
だ 》
〚 私の心の中 〛
襟を正して、走らねばな
るまい。
どんな方に、お目にかか
るやら。楽しみだ。
おぉ~、上品な、おばぁ
~様が、手を上げている
。
〚 私 〛
……お待たせしました。
どうぞ、お乗りください
。
〚 お客様 〛
おはようございます。
神谷町の駅にお願いし
ます。
〚 私 〛
分かりました。飯倉の
交差点を左折して、そ
のまま、真っ直ぐ でよ
ろしいですか。
それでは、メータを入
れます。
お願いします。
〚 お客様 〛
交通量は、多い所です
が、実車中の車ばかり
で、大分待ちましたよ
。
乗せていただいて、あ
りがとうございます。
〚 私 〛
ここは、六本木方面か
らくるタクシーは、出
勤の方が多くて、実車
で通ることが多いから
、お待ちになったでし
ょう。
しかし、ここは、ソ連
大使館やら、アメリカ
ンクラブ、外務省の公
文館等を管理している
建物があったりして、
なかなかのところです
ね。歴史と政治を、匂
わせていますね。
〚 お客様 〛
運転手さん、あなたは、
鋭いわね。
この裏には、あの吉田
茂のお宅があって、吉
田 茂さんも一時期、
下の正則学園に通って
いたと聞いております
。ここに、お宅があっ
たからでしょうね。
それはそうと、私は、
おばばだけれど、もう
九十を超えているけど、
あの戦後の吉田 茂さん
とマッカーサーさんは、
吉田 茂さんのお宅で
も、会っていたと聞いて
いますよ。
お宅のあとには、何か
記しが、立っているけ
どね。
〚 私 〛
ほ~、吉田 茂さんも、
マッカーサーさんを、
私邸に招いたりもして
いたのでしょうね。
いや~、これは、歴史
の " 一こま " を聞きま
した。
気持ちが、震えました
よ。私にとっては、歴
史の出来事です。
いや~、歴史に遭遇し
ました。
ありがとうございました
。
〚 お客様 〛
地下鉄に乗りますから
、ここでいいです。
〚 私 〛
ありがとうございました
。
運賃は、……円になりま
した。
お忘れに気を付けて、降
りて下さい。
貴重な歴史の ”一こま ”
をお話しいただきまして
、ありがとうございまし
た。
〚 俳諧人の心の中 〛
何でもない、こんな街角
で、歴史の ”一こま ”に
接することがでたとは、
感無量だ。
『東京漫遊談笑 NO39』
【 精神分裂病と俳優業 】
《 ここは、六本木の飲食歓楽街
だべな 》
《 時計は、三時を回り、そろそ
ろ、帰宅の時間だ 》
《 しかし、人は、まだまだ一杯
だ 》
〚 私の心の中 〛
明日もあろうというのに
、こんなに沢山の人だ
な。
おや~、五、六人の人が
、手招きしている。
おぉ~、映画監督たち
だ。
〚 私 〛
……お待たせしました。
どうぞ、お乗りくださ
い。
〚 お客様 〛
お願いします。荻窪の方
に、お願いします。
〚 私 〛
分かりました。青梅街道
で宜しいですか。青梅街
道までの道筋は、私の方
でよろしいですか。
それでは、メータを入れ
ます。お願いします。
〚 お客様 〛
送っていらした方々は、
見えなくなりましたか。
〚 私 〛
角を曲がりましたから、
もう見えなくなりまし
たが。
〚 お客様 〛
ふ~~~、今日は、五軒
もハシゴして飲みました
が、監督たちで気を休め
ることが出来ず、やっと
気を抜くことができます
。
ずっと、気を張っていま
した。
〚 私 〛
それは大変でしたね。
会社の付き合いでいうな
らば、上司と一緒みたい
ですね。
俳優業も、一筋縄では、
いきませんね。
〚 お客様 〛
私たちは、時折、おかし
くなります。
〚 私 〛
私の個人的な意見を言
いますと、俳優業は、
精神分裂症にかかるよ
うなものでしょう。
他の描いた人の人格を
、自分の人格を捨てて
、その人になって演じ
なければなりません。
これを、職業としてい
れば、回数を重ねるう
ちに、当然に自分の人
格に異常をきたすでし
ょう。
これは、正常な、精神
分裂病的自分に悩まさ
れることになりましょ
う。
〚 お客様 〛
まさに、その通りです
。
精神分裂病的自分に悩
まされています。
〚 私 〛
まぁ~、役者の粋とで
もいいますか、これも
生きていく職業病でし
ょう。
感性に気を張り、これ
を職業とするアート者
は、精神分裂病的自分
に悩まされるでしょう
。
一方、知性、理性を職
業とする一般人は、自
分を他に求め、自己 嫌
悪に悩まされるでしょ
う。
運賃は、・・・・・円になり
ました。
お忘れものに気を付け
て、降りて下さい。
貴重な、個人の不安な
、お持ちの話しをいた
だきまして、ありがと
うございました。
〚 私の心の中 〛
人々は、何の仕事でも
、それぞれの中で悩み
を抱えているな。
『東京漫遊談笑 NO40』
【 工場海外進出移転と馬喰横
山の問屋街の悩み 】
《 ここは、東京の洋品の取引
問屋街だべな 》
《 商売は、ここから始まるな 》
《 順風万風、忙しい街並みだ 》
〚 私の心の中 〛
幸せに、忙しくしてい
る面々とお会いするの
は、楽しみだ。
おぉ~、先に、あの社
長さんが、手を上げて
いる。
久しぶりだな。
〚 私 〛
久しぶりです。おはよう
ございます。
お待たせしました。
どうぞ、お乗りくださ
い。
〚 お客様 〛
懐かしいな。お前さんと
会えるとは。縁があるね
。
今日は、問屋街の仲間の
社長達と寄り合いでね。
浅草橋に頼むよ。江戸通
り沿いだから。
〚 私 〛
分かりました。このまま
、真っ直ぐに行きます。
それでは、メータを入れ
ます。お願いします。
〚 お客様 〛
しかし、久しぶりだね。
また会うとはね。相変
わらず元気そうだね。
〚 私 〛
それは、私のセリフです
よ。私は、若いのですか
ら。
おやじさんこそ元気で
何よりですよ。
今日は、何の寄り合いで
すか。
何か、考えていますね。
時代が変わってきていま
すから~。
〚 お客様 〛
君は、やはり鋭いね。
実はね、世相では、洋品
の生産地工場の移転が、
中国に進出する、とい
うことだよ。
洋品の生産地と流通が
、変わることの意味だ
よ。
〚 私 〛
なるほど、地理条件の拡
大は、金融利権の拡大で
すね。
田中角栄は、世界を動か
し始めましたね。商取引
の拡大は、 一方では、
平和の証拠です。
これから、世界は、具体
的に変化していきますね
。
東京のど真ん中のおやじ
さんところにも、進行し
てきましたか
〚 お客様 〛
そうなんだよ。生産地の
変化は、縫製の技術の
変化を意味し、また、
流通上は、金融面が影
響し、商取引の拡大と
ともに、 旧来の問屋と
しての存在を、考えて
いかなければならない
時に来ている。
そこで、仲間問屋十社
で ”倒産を考える会 ”を
つくり、見定めを考えて
いこうということにな
ったんだよ。
この時期なら、長年勤
めていた社員に、退職
金を用意できるし、と
ことん経営を続け、挙
句の果てには、退職金
も出せない事態を、招
きかねないことも考え
てね。
所詮、会社資産は、従
業員の稼いだものだよ
。経営者は、資本家と
して、資本の確保と拡
大を、目論むものでし
かないよ。
〚 私 〛
経営者の心得は、お変
わりなく、素晴らしい
ですね。
わたしは、国も、会社
も、そして家庭も、対
価を設け取引する金融
社会では、試算の確保
と拡張拡大が、重要と
考えます。
確保については、内部
組織で確立し、拡大拡
張は、外部執行組織の
確立でいくことになる
と考えています。
保身安泰は、この上に
成立するものと考えま
す。
長期展望は、経営者が
、執行していかなけれ
ばと考えます。
この考えは、如何です
か。
〚 お客様 〛
お前さんは、ナカナカの
講釈家だ。
好みの背伸び出来る範囲
で、処世したいと思って
ね。
いや~、もう着いたたか
。でも、良かったよ。
会えて。
〚 私 〛
ありがとうございました
。
運賃は、・・・・・円になり
ました。
経営の本音をお聞きして
、感謝します。
ありがとうございました
。
〚 私の心の中 〛
なんと、経営者の師匠に
向かって、ひと講釈を、
述べてしまった。
許してください。
田中角栄の日中平和条約
が、この日本橋馬喰横山
の問屋街に、忍び寄って
きている。
アメリカ、日本から中国
へ。採用諸国の産業革命
は、世界の戦乱を経て、
進行し続けている。
あらたな火種を、宿しな
がら。
コメントを残す